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帯状疱疹とは? 主な症状と注意が必要な年代とワクチン接種の重要性

帯状疱疹とは? 主な症状と注意が必要な年代とワクチン接種の重要性

2024.10.01 更新
こんにちは。今回は、帯状疱疹の予防に最も効果的な方法であるワクチン接種を中心に、帯状疱疹についてわかりやすくお伝えします。
帯状疱疹は、50代からそのリスクが高まり、80歳までに3人に1人が経験すると言われるほど、身近な病気です。

特にワクチン接種は、この病気の発症や重症化を防ぐための有力な手段として注目されています。この記事では、帯状疱疹の基本情報はもちろん、ワクチン接種による予防の有効性やメリットについて詳しくお話しします。

予防策を知っておくことで、皆さんが安心して毎日を過ごすためのヒントになればと思います。ぜひ、最後までご覧ください。
目次

帯状疱疹とは

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus:VZV)の再活性化によって引き起こされる皮膚疾患です。【1】
子どもの頃にかかることの多い水ぼうそうですが、実は回復後もこのウイルスは体の中にひっそりと潜んでいます。そして、加齢や体力の低下、強いストレスなどで免疫力が弱まると、このウイルスが再び活性化し、帯状疱疹として現れることがあります。

【1】https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/herpes_zoster/

主な症状

帯状疱疹の主な症状として、次のようなものが挙げられます。
  • 片側の体に帯状に現れる発疹や水疱
    帯状疱疹は、はじめ片側の神経部分領域に一致して神経痛の痛みや知覚異常、あるいは痛みが数日続きます。やがて虫刺されのような浮腫性紅斑が出現しますしその後水疱(小さい水ぶくれ)が多く形成されます。水疱の内容ははじめ透明ですが徐々に黄色い膿疱になり1~2週間ほどで痂皮(かさぶた)になり脱落して治癒します。
  • 激しい痛みやチクチクする感覚
    痛みは、神経に沿って広がるため非常に強く感じられ、チクチクするような違和感や鋭い痛みを伴います。
  • かゆみ
    発疹の周りに強いかゆみが出ることがありますが、かきむしることで症状が悪化する場合もあるため注意が必要です。
  • 発熱や倦怠感
    帯状疱疹に伴って、全身に疲れやすさや軽い発熱が見られることがあります。
これらの症状は、通常2~3週間で治まりますが、中には長期間にわたって痛みが続く「帯状疱疹後神経痛」を経験する方もいます。この痛みは、帯状疱疹が治った後でも残ることがあり、日常生活に大きな影響を与えることがあります。

帯状疱疹を引き起こすリスク要因

帯状疱疹を引き起こすリスクは、誰にでもあるものですが、特に以下の要因がリスクを高めると考えられています。
  • 年齢
    50歳以上の方は、免疫力が徐々に低下するため、帯状疱疹の発症リスクが高まります。年齢とともに再活性化するウイルスに対する防御力が弱くなるのが理由です。
     
  • 免疫系の弱体化
    ストレスや病気、特定の薬物療法が原因で免疫が低下すると、体内に潜伏していたウイルスが再び活動を始めることがあります。特に、慢性的なストレスや治療薬の使用によって免疫力が弱まると、帯状疱疹が発症しやすくなります。
     
  • 特定の疾患
    がんやHIV/AIDSなどの疾患を持っている方は、免疫機能が低下しているため、帯状疱疹のリスクが高まります。これらの病気によって、体がウイルスに対抗する力が弱くなるためです。
     

帯状疱疹の治療法

帯状疱疹の治療は、ウイルスの増殖を抑え、痛みを軽減することを目的として行われます。治療の中心となるのは抗ウイルス薬の投与で、これにより帯状疱疹のウイルスの広がりを抑え、症状の悪化を防ぎます。抗ウイルス薬には、バラシクロビルやアシクロビルなどがあり、医師が患者の状態に合わせて処方します。

特に、症状が出てから72時間以内に治療を開始することがとても重要です。【2】 早期に治療を開始することで、発疹や痛みの軽減が期待できるだけでなく、帯状疱疹後神経痛(PHN)のような長期間続く痛みのリスクを大幅に減らすことができます。

帯状疱疹後神経痛(PHN)は、帯状疱疹の中でも最も厄介な合併症の一つです。この神経痛は、発疹が治った後も数ヶ月から数年にわたり続くことがあり、強い痛みやしびれを引き起こします。特に高齢者や免疫力が低下している方では、この合併症が長引く傾向があります。

また、痛みを緩和するために鎮痛薬や抗炎症薬も併用されることがあり、症状が重い場合には、神経ブロックといった治療法が検討されることもあります。これらの治療を組み合わせることで、患者さんの痛みや不快感を軽減し、生活の質を向上させることを目指します。

【2】https://www.cdc.gov/

帯状疱疹の予防:ワクチン接種の重要性


帯状疱疹の予防において、ワクチン接種は最も効果的な方法とされています。
特に、現在日本で広く使用されている帯状疱疹ワクチンは「シングリックス」です。シングリックスは、不活化ワクチンとして開発され、帯状疱疹の予防に高い効果を発揮します。
このワクチンは、免疫力が低下しやすい高齢者や免疫抑制を受けている方でも使用できる安全性の高さが特徴です。
それでは、シングリックスの特徴を詳しく見ていきましょう。

シングリックスの特徴

シングリックスは、帯状疱疹を効果的に予防する不活化ワクチンであり、その高い効果と安全性が評価されています。ここでは、シングリックスの主な特徴を詳しく説明します。
  • 高い予防効果
    シングリックスは、50歳以上で約97%、70歳以上でも約85~90%の確率で帯状疱疹や帯状疱疹後の神経痛(PHN)を予防します。これにより、特に高齢者における発症や重症化を防ぐ有効な手段とされています。この高い予防効果は、複数の大規模臨床試験で確認されています。【3】
     
  • 長期的な効果: 執筆時点(2024年8月)において、シングリックスの効果は少なくとも10年間持続することが確認されています。これは、接種後も長期間にわたって免疫が維持されることを意味し、年齢とともにリスクが増す帯状疱疹の予防において、非常に有効です。【4】
     
  • 接種スケジュール
    シングリックスは2回の接種が必要です。1回目の接種後、2回目は2〜6ヶ月後に行います。この2回の接種スケジュールを守ることで、長期的な免疫効果を最大限に引き出すことができます。多くの臨床試験では、2回目の接種が遅れても、最大6ヶ月以内であれば十分な免疫が得られることが示されています。【5】

    出典:GSKpro グラクソ・スミスクライン株式会社

【3】https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001266215.pdf
【4】https://jp.gsk.com/ja-jp/news/
【5】https://gskpro.com/ja-jp/products-info/shingrix/precautions/

シングリックスの対象者

シングリックスは主に以下の方々に推奨されています。
  • 50歳以上の成人
    帯状疱疹は、50歳以上の方でリスクが急増します。特に、加齢とともに免疫機能が低下するため、シングリックスは50歳以上の方に強く推奨されています。ワクチン接種により、発症リスクを大幅に低減できるため、予防策として効果的です 。
  • 帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の者
    2023年6月に以下のような状態の方を対象に適応が拡大になり接種対象となりました。【6】
    • 疾病または治療により免疫不全である人、免疫機能が低下した人または免疫機能が低下する可能性がある人
    • 上記以外で、医師が本剤の接種を必要と認めた人
  • 帯状疱疹の既往歴がある方
    一度帯状疱疹を経験した方でも、約6.4%の方に再発する可能性があります。【7】シングリックスの接種は帯状疱疹の再発リスクを軽減する手段として有効です。特に、帯状疱疹後神経痛(PHN)のリスクがある方にとっては重要な予防策です。【8】
  • 免疫系が弱っている方
    免疫系が弱っている方、たとえばがん治療を受けている方や、HIV感染者、免疫抑制薬を使用している方などは、帯状疱疹のリスクが特に高まります。シングリックスは、不活化ワクチンであり、免疫力が低下している方でも安全かつ効果的に接種が可能です。

【6】https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00068049.pdf
【7】https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28480280/
【8】https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001165467.pdf

シングリックスの副反応

一般的な副反応には以下のようなものがあります。ワクチン接種後には、いくつかの副反応が現れることがありますが、これらは体がしっかりと免疫を作り出している証拠です。ほとんどの副反応は軽度で、一時的なものですので、過度に心配する必要はありません。
  • 接種部位の痛みや腫れ
    ワクチンを接種した場所が痛んだり腫れることがありますが、これは体がワクチンに反応し、免疫を作り出しているサインです。痛みや腫れは数日以内に自然に治まることがほとんどです。
  • 頭痛
    ワクチン接種後に軽い頭痛が起こる場合がありますが、これは免疫システムが活発に働いているために起こる一時的な反応です。頭痛も通常は軽度で、すぐに改善します。
  • 疲労感
    ワクチン接種後、体が疲れたように感じることがあります。これは、免疫を作る過程で体がエネルギーを使っているためであり、体が健康を守るために働いている証です。数日で自然に元気を取り戻せるでしょう。
  • 筋肉痛
    筋肉に痛みを感じることもありますが、これは免疫が全身で作られている証拠です。特に接種部位近くの筋肉に痛みを感じることがありますが、これも数日以内に自然に和らぎます。

これらの副反応はほとんどが軽度で一時的ですし、数日以内に自然と治まります。実はこれらの反応は、体の中で適切に免疫が作られているからなのです。

帯状疱疹ワクチン(シングリックス)接種の検討時期

帯状疱疹ワクチン(シングリックス)の接種を検討する時期や状況として、以下のようなケースが考えられます。これらに該当する場合は、ワクチン接種を前向きにご検討ください。

50歳以上になったとき

帯状疱疹の発症リスクは、50歳を過ぎると急激に高まります。加齢に伴い免疫力が低下するため、50歳を迎えたらワクチン接種を検討する良いタイミングです。健康な状態を維持し、将来のリスクを減らすために、この節目での予防が効果的です。

過去に帯状疱疹を経験したとき

一度帯状疱疹を経験した方は、再発リスクが高くなるため、再発予防としてワクチン接種が強く推奨されます。帯状疱疹が再発すると、帯状疱疹後神経痛(PHN)のリスクも増加するため、早めの対策が重要です。

ストレスの多い生活環境に入るとき

新しい仕事、転居、大きな生活の変化を迎える前後は、ストレスが増え、免疫力が低下しやすい時期です。こうした変化を控えている場合は、免疫力が低下する前にワクチン接種を検討することが、体調維持のために役立つでしょう。特に、過度なストレスは帯状疱疹の発症リスクを高める要因の一つです。

帯状疱疹に関するよくあるご質問

Q1:帯状疱疹は一度かかれば二度とかからない?

A1:帯状疱疹は再発する可能性があります。一度かかったからといって、将来的に再発しないということではありません。

Q2:帯状疱疹は高齢になってから気にすればよい?


A2:年齢とともにリスクは高まりますが、若い人でも発症する可能性があります。特にストレスや免疫系の弱体化がある場合はリスクが高まります。

Q3:帯状疱疹がうつることはありますか?


A3:帯状疱疹そのものは直接伝染しませんが、発疹部分に接触することで、水痘に感染したことがない人(特に子供や免疫が弱っている人)に水痘を引き起こす可能性があります。

Q4:帯状疱疹ワクチン接種で、完全に帯状疱疹を予防できますか?

A4:ワクチンは非常に効果的ですが、100%の予防効果があるわけではありません。しかし、発症リスクを大幅に低減し、仮に発症しても症状を軽減する効果があります。

帯状疱疹への対策は帯状疱疹ワクチン(シングリックス)の接種

帯状疱疹は厄介な病気ですが、適切な予防策と早期の対応があれば、その影響を最小限に抑えることができます。ご自身の健康への関心と医療専門家への相談が、健康的な生活を送るための鍵となります。 帯状疱疹の影響は単なる皮膚の問題にとどまらず、生活の質を大きく損なう可能性があり決して軽視できない疾患です。当院では、50歳以上の方を対象に、帯状疱疹ワクチン(シングリックス)の接種が可能ですので、ぜひご相談ください。
渡邊 千春
千春皮フ科クリニック理事長・総院長
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医/AMI Japan Senior Trainer(アラガン社指導医)/日本胎盤臨床医学会理事、その他多くの学会に所属し、皮膚医療・美容医療について研鑽しています。自らが幼少時代アトピー性皮膚炎だったことから、肌に悩みを持つ方々のお悩みに対して、少しでもお力になれればと考えております。
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